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怒りの感情はあなたを守る

 何気ない日々の中で、怒りを感じることは誰でも経験しています。とはいうものの、喜びや楽しみ、悲しみとは違って、怒りはどうも歓迎されません。怒りという言葉が、暴言や暴行など攻撃心だけを想像させてしまうからです。

 実は、怒りの感情には自分を守るという大切な役目があります。

 

 怒りの感情は、不公平な扱いを受けたと感じ、何か間違っていると思うのに自分自身でをそれに解決できず無力感を抱き、それが耐えがたいほど苦痛であるという、3つの要因で引き起こされます。

 これは、自分を守りたいという気持ちの表れですが、うまく守れなかったときに、怒りが生じるということを表しています。

 

 怒りの感情を持つことは自然な事で、理不尽な目にあえば、誰でも怒りを感じます。大切なことは、その怒りの感情をどうやってうまく表現する(伝える)かにかかってきます。

 誰かに怒りの感情をぶつけてしまったと後悔したり、もしくは怒りがあるのに何も言えなかったと落ち込んでいるとき、まだ遅くはありません。深呼吸して、自分が誰のどんな行為や状況に対してどういう気持ちや感情をいだいているのか、項目に分けてノートに書いてみましょう。怒りを客観的に見直す作業です。怒りの感情が自分の何(例:プライド)を守ろうとしているのか、自分を守れたかどうかを見直し、そして、どういう行動を取れは(例:相手と話し合う等)自分を守れるかという解決策を探し出すことができます。

 

 どんな感情であれ、自分の感情を大切にすることが自分を大切にすることです。感情には正しい感情とか間違った感情という基準はありません。その人にとって大切なものです。表現の仕方を考えることで、自分を守ることにつながります。少し難しく言えば自尊心を守ることです。

 自分の感情を知ることで、生き辛さを和らげていきましょう。